
シリーズ第1回 竹林朋子さんに聞く「作っている人しか知らない、秘伝の食べ方!」
こうや豆腐の食べ方、あの人に聞く」の一人目の登場人物は竹林朋子さん。
登喜和冷凍食品株式会社の本社工場で、昭和61年から22年間にわたり品質管理の仕事をしてもらっています。こうや豆腐のプロ中のプロは、どんな食べ方をするのか?皆さん、きっと、「えっ!」と思うはずです。
PART1 素材のよさが分かる「ざるこうや」
完成品の抜き取り検査をする竹林さん
「私の仕事は、出来上がったこうや豆腐の抜き取り検査です。サンプルを60℃のお湯で15分間戻して、重量・保水率・生地の柔らかさなどを調べます」と話す竹林さん。
年間で約260日間同じことをします。同じ人が毎日検査しないと変化が分からないとのこと。今では、乾物のこうや豆腐に触っただけで、戻した時にどんな特徴が出るのか分かるそうです。
寄せ豆腐や汲み上げ豆腐のような食べ方ですね
「戻しただけのこうや豆腐が一番美味しいと思いますね」
毎日湯戻ししたこうや豆腐を食べている竹林さんならではの発言。検査の時には、醤油も何もかけずに、そのまま食味を調べますが、さすがに料理としてはちょっと不向き。そこで考えたのが、「ざるこうや」です。
60〜70℃のお湯に20〜25分程度浸し、トロトロになるまで戻したこうや豆腐を、寄せ豆腐や汲み上げ豆腐と同じように、スプーンで大まかに切り分けてざるにあけます。
彩に青物を添えて、鰹節、ミョウガ・ネギ・シソ・ショウガなどの薬味を好みで載せて、めんつゆでいいただきます。
こうや豆腐は、スポンジような食感と思っている人は、もう、超ビックリするはず。トロトロ、フワフワの食べたことのない食感です。
「これが本当のこうや豆腐の食感」と竹林さんは笑います。
ざるに開ける前に冷たく冷やせば、ナント、こうや豆腐の冷奴にもなります。これも美味しいけれど、じつは、温かいままざるにあけ、味をつけて、温かいご飯の上に乗せて食べても美味しいんだとか。
なるほどねぇ、毎日、湯戻ししたこうや豆腐を食べている人でなければ考えつかない食べ方ですよね。
PART2 驚く舌触り「揚げだしこうや」
普通に戻したこうや豆腐を少しきつめに絞って使う。絞りきらないのがコツとのこと。
「こうや豆腐というとスポンジみたいな食べ物と思っている人がいるでしょ。あれってまちがいなんですよ。それを分かってもらうためには、揚げだし豆腐が一番」
水切りしたもめん豆腐よりも揚げる時に扱いやすいのがこうや豆腐の利点
竹林さんは、こう言うと普通に戻したこうや豆腐をややきつめに絞ると、手早く4センチ角ほどの角切りにしました。
「揚げだし豆腐は普通もめん豆腐で作るけど、水を切ったりする下ごしらえが大変なのよ。でも、こうや豆腐を使えば簡単。戻し方は慣れればなんていうことないし、片栗粉をまぶす時も扱いやすいのよ」
竹林さんは、説明しながらてきぱきと仕事をし、あっという間に衣がつけられて油に入れれて行きます。揚げ油は170℃位。最初からあまり高いと、焦げやすいそうです。
「ずっと仕事していたから、家庭でも早くできる料理が多くなりましたね。この揚げだしこうやはその代表選手。忙しいお母さんにぜひ知ってもらいたいわ」と竹林さん。
手軽で絶品「揚げだしこうや」。本当に美味しいです。
揚げる時間も短い感じ。次々と油を切って器に盛りつけたら、彩りを添えてだしをはります。
「時間があれば自分でだしを取ればよいけれど、家庭の惣菜ならめんつゆで充分」とのこと。
口にしてみるとこれまたビックリ。だしが染みた衣の下に広がるのは、こうや豆腐のスポンジ感とはまったく違って、トロリとした湯葉のような食感と言いましょうか。う〜ん、美味い!
「私は揚げだしこうやが一押しかな」と竹林さん。
PART3 ヌルヌルが美味い「めかぶこうや」
若手社員に母親のように丁寧に作り方を教える竹林さん
「これは揚げだしこうやのバリエーションね。揚げたこうや豆腐を、いろいろなものと和えて食べると美味しいのよ」
特に、良く合うのは、ヌルヌルした食感のものだとか。サトイモ、モロヘイヤ、オクラなど何でも合うけれど、お酒のつまみなどにはメカブが良いそうです。
「何でも試してみたわ。揚げたこうや豆腐は、ヌルヌルしたものと相性がピッタリ。皆さんにも試してもらいたいわ」
和える調味料は、マヨネーズの味噌が基本。からしマヨネーズやワサビマヨネーズも良いと言います。
揚げたこうや豆腐を別の食材と和えることで、栄養価も高くなるし、不思議な食感も楽しめます。
「これ、初めての人には、こうや豆腐だとわからないと思いますよ。高たんぱくであっさりしていて、夏のビールのつまみには最適だと思いますよ」
完成!揚げこうやのメカブ和え
「もったいないから、検査したこうや豆腐の残りをいただいて帰って毎日食べるでしょ。色々なレシピで作らないと飽きられちゃうのよ」竹林さんはそういって笑います。でも、竹林さん自身がこうや豆腐好きで料理好きなことは明らか。毎日一枚は必ずこうや豆腐を食べると言います。
「食べているからか、毎日、乾物のこうや豆腐に触っているからか分からないけれど、とにかく、肌は同じ位の年の人の中では、ピカピカツルツルだと思うわよ。美味しく、体に良くて,美容にも良い。本当に良い仕事させてもらっていると思います」
竹林さんは最後に朗らかにそう笑いました。
竹林さん、仕事中の忙しいところ、ありがとうございました。